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遺産分割の3つの手段

相続人が複数人いた場合は、主に以下3つの方法で分割を行います。

• 「現物分割」現物を分ける
• 「代償分割」不動産を相続した方が他の相続人に現金を払う
• 「換価分割」不動産を売却してその利益を分割する

遺産が預貯金などの場合は、相続人が複数人いたとしても分配することは難儀ではありませんが、不動産の場合は容易に分配することが難しくなってきます。そこで、上記のような不動産を含む遺産分割方法が定められており、その中でも最も多く用いられるのは「換価分割」です。

不動産を売却してその利益を分割する「換価分割」とは

メリットとしては、現金に換算することにより1円単位まで均等に配分することができ、相続トラブルを回避することが可能です。また、不動産を維持するコストもかからず、空き家として放置することで近隣トラブルが発生するリスクも避けることができます。

換価分割の方法は以下の手順とおりです。

1. それぞれの相続分を決める
2. 手続き進行をする代表の相続人を1人選出する
3. 不動産名義を代表する相続人に変更し、不動産会社に売却依頼する
4. 売却後、その代金を相続人全員で分割する

注意点

譲り受けた不動産を売却する際には、「相続登記」を忘れてはいけません。相続登記をせずに放置をしておくと、以下のようなデメリットが発生します。

• 売却ができない
• 他の相続人が勝手に登記、売却をするリスクがある
• 相続人の死後、他の相続人が増えて、売却や管理が困難になる可能性がある

また、相続した不動産をそのまま放置していると以下のようなデメリットがあります。

• 空き家問題に発展する
• 不動産の価値が下がる
• 固定資産税、都市計画税を払い続ける

上述したことからわかるように相続した不動産は、早めに売却をするのが安心でしょう。

1．自分で査定する

公的価格をもとに、自分で不動産の時価を算出する方法になります。建物については固定資産税評価額を使って時価の7割程度、土地については相続税路線価を使って時価の8割程度となるよう決定されています。計算式に表すと以下のとおりです。

固定資産税評価額÷70％
相続税路線価÷80％

ただし、あくまでも課税額を定めるための計算になるので、いざ売却しようと思った時に、必ずしもその価格で売却できないこともあり得ます。

2．不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する

遺産分割協議等の際に相続争いでもめた場合でも、裁判所に提出できる公的な書類、「不動産鑑定評価書」を受け取ることができます。さらに、裁判所に提出できるほど信頼性が高い不動産鑑定書を作成できるため、相続トラブルに発展しにくいこともメリットといえます。ただし、依頼料がかかるのでその費用を誰が負担するのかという問題が浮上することを頭に入れておきましょう。

3．不動産会社に査定を依頼する

不動産の売買を取り扱うプロが査定を行うため、安心して依頼ができるでしょう。また、不動産査定は無料で受けられるというメリットがあります。いざ売却するとなった際に、そのまま依頼できることも魅力の１つです。
ただし、裁判所に提出できる有効な書類としては活用できない点が懸念されます。
不動産鑑定士による鑑定評価と同様に、不動産会社によって査定額が異なるため、予め一括査定サイトなどで、複数の不動産会社に査定を依頼しておくのが得策です。